癒しのお茶でストレスケア、緑茶・紅茶・烏龍茶

健康的に疲労回復、リフレッシュ!
毎日の忙しい仕事の合間に、ほっと一息ついた時、身体が疲れているなと感じます。疲労が溜まってしまうと、体調は悪くなり、思考能力も低下してしまいます。疲労回復のためには生活習慣を整えることが大切なのです。「質の良い睡眠」をとるために、適度な運動をして、入浴で身体を温める。「3食の栄養バランスのとれた食生活」には、糖質、脂質、タンパク質に加えビタミン、ミネラル類も欠かさず摂りましょう。特に、ビタミンB群、カルシウムや鉄などのミネラルは大切です。
疲れている時に、疲れが取れる飲み物を飲みたい!そんな時、飲みたい飲み物は人それぞれですが、飲み物で手軽に疲労回復することもできるのです。疲れたけれど、まだ仕事が残っているから、まだ頑張るための即効性のある飲み物だってあります。オレンジジュースやココアなどは「糖質」を含むので、脳にエネルギーを送り込むことで脳を元気にして、疲れが取れた!と感じることができます。ただし、血糖値も上昇しますから心配ですね。健康のためには、カロリーが少なく、ほどよく気分転換し、軽い休憩をとりたいときの飲み物を選ぶべきです。緑茶、紅茶、烏龍茶には疲労回復や集中力の上昇、リラックス効果、ストレス解消効果が知られています。

世界に広がるお茶の文化
日本の緑茶も紅茶も中国の烏龍茶も、全て「チャノキ」(茶の木、学名: Camellia sinensis)という植物が原材料です。原産地はインドのアッサム地方とされ、古代中国の雲南地方でも早くから茶葉が栽培され、煎じて飲用とする風習がはじまります。宋代になると、日本にも伝来し、周辺民族にもお茶の風習が広がりました。17世紀の初めのオランダ商人が茶をヨーロッパにもたらし、イギリスに伝えられると、一般民衆に広がりました。中国ですでに紅茶は作られていたので、イギリスでは紅茶に砂糖とミルクを入れる飲み方が好まれました。でも、日本では「茶の湯」という独自の文化を生みだすほど、緑茶が好まれ、煎茶や抹茶にして飲んでいました。日本とイギリスではお茶の文化も違ったのですね。
緑茶も紅茶も同じ植物の茶の葉をもとにして、製法が違うだけなのです。つまり、発酵させないのが緑茶で、発酵させるのと紅茶になり、そして発酵を途中で止めたものが烏龍茶になりました。中国では清の時代以降、茶の文化は最盛期を迎えて、花の香りを茶葉につけるなど種類は増え、様々な方法で飲まれるようになり、中国茶の種類は1000種類を超えているといわれます。

緑茶を好む、日本人の心の歴史
日本における緑茶の歴史は古く、平安時代に遣唐使が唐から持ち帰ったことが由来とされています。当時は大変貴重な薬として重宝され、室町時代以降は茶の湯の発達により、武士や商人にも広がりました。その後、庶民の飲み物として親しまれるようになった緑茶は、江戸末期より明治期には海外への輸出が本格的になりました。戦後、緑茶の輸出は大きく減少しましたが、和食と健康ブームで世界からの需要も高まり、再び緑茶の魅力が海外でも見直されています。味や香りだけではなく、緑茶は健康食品としても優れています。緑茶に含まれるカテキンには、発がんを抑制したり、免疫力を高めたり、殺菌や消臭作用、抗アレルギーの効果もあるといわれています。
「まあ、お茶でも」という何気ない言葉で頂く一杯のお茶は、人をほっとさせます。このお茶の魅力は、日本ならではのおもてなしに欠かせないものとなりました。お茶は仏教とともに中国から伝わり、禅思想の影響も受けながら、茶の湯として独自の様式を確立しました。お客さまのお迎えを心を込めて準備をし、共に過ごす時間を大切にするのが、おもてなしの基本なのです。おもてなしの作法や考え方は、日常生活にも生かされるものがあり、日本社会へ浸透していきました。ふと訪れた方にも、お店に来られたお客さん、通りがかりの人にもお茶を淹れ、話に花を咲かせ、労をねぎらいました。日本人の生活におもてなしの文化を、あちこちで見かけるのです。

紅茶が手軽に楽しめる時代
お茶は中国古代から親しまれ、不老不死の薬として飲まれていました。4世紀にお茶の栽培が始まり、7世紀には緑茶が世界に広がりましたが、まだ貴族という身分の高い者の楽しみでした。中国においてお茶の生産がより盛んになると、一般市民がお茶を口にする習慣が広まり、現在の「紅茶」の原型となる発酵茶が生まれたといわれます。この頃からシルクロードを経て、アジア各国においてお茶が広まります。その後、オランダがヨーロッパに中国茶を持ち帰ったことで、緑茶を飲む習慣がフランスやイギリス、ヨーロッパ各地へと広がっていったのです。また、イギリス人の嗜好に合わせ、酸化発酵を進めた完全発酵の黒褐色の紅茶が誕生しました。
19世紀末、日本に輸入された初めての紅茶はイギリスで生産された紅茶でした。イギリスの紅茶の品質は高い評価を得ていたため、日本の上流社会の間で大流行しました。紅茶は身体に良い成分が豊富に含まれ、薬効としても用いられていたようです。第二次世界大戦後、紅茶の輸入が制限されましたが、1971年に紅茶の輸入が自由化しました。さらに、紅茶のティーバッグはより便利に美味しくなり、とても身体に良いものとして、市販されている紅茶を手軽に購入できるようになりました。私たちはあらゆる場所で紅茶を楽しみ、自宅でティータイムを楽しめるのは、古き歴史あるイギリス文化のように、日本人の私たちの間でも紅茶が親しまれているからなのです。

烏龍茶でお茶の新しいスタイル
古代中国ではすでに茶葉の栽培が始められていました。3世紀の三国時代では嗜好品として飲まれ、5世紀の南北朝時代では酒食でなく茶菓でもてなしていたといわれます。7世紀の唐代には、お茶の習慣が中国全土へと広がりました。17世紀の清代には、お茶文化は最盛期を迎え、半発酵茶である烏龍(ウーロン)茶が開発されました。烏龍茶は、中国茶のうち青茶(せいちゃ)という中国茶の分類で、茶葉の発酵を途中で止めた半発酵茶です。発酵の程度は製品や種類ごとに異なり、その数は800種ともいわれます。烏龍茶という名前は中国広東省で製茶されたお茶の形状や色が烏のように黒く、龍のように曲がりくねっていることから、名付けられたといいます。
烏龍茶特有のポリフェノールが含まれて、脂肪の吸収を抑え、脂肪分解を促進する働きはダイエットによいとされ、健康食品として発売されました。カフェインが含まれて興奮作用や利尿作用があり、消化を助け、体を温めます。冷え性対策にも、痩身や美容に効果があるともいわれました。その後、世界初の缶入り烏龍茶が商品化され、冷やしても美味しく飲むことができるとするスタイルが誕生しました。チューハイブームのピークには、烏龍茶で割ったウーロンハイが現れ、烏龍茶の第2次ブームとなりました。烏龍茶を含む茶系飲料水の消費量は、果汁飲料が下降線を示している中で上昇しており、好きな清涼飲料水の1位になっています。

日本の緑茶の健康効果
緑茶には、殺菌効果があるカテキンが含まれています。このため、緑茶を飲むことでインフルエンザなどの感染症や風邪を予防する効果があります。さらに、免疫細胞を活性化する効果もあり、免疫力が上がります。緑茶を飲むのは風邪予防に効果があるのです。また、殺菌効果を利用したお茶での「うがい」も有効です。
緑茶に含まれているカテキンには、脂肪の代謝を高める効果や、糖質の吸収を抑えることで、脂肪の代謝が向上して、体脂肪をエネルギーとしてより多く消費できるようになります。また、体内で消費でずに余った糖質の吸収を抑えることで、ダイエットが期待できます。カテキンには、血中コレステロールの吸収を抑える効果や血糖値の上昇を抑える効果、血圧の上昇を抑える効果が期待でき、動脈硬化や高血圧症、脳血管疾患、心疾患の予防に繋がります。
緑茶に含まれているテアニンにはリラックス作用があり、脳の興奮を抑えて神経を沈静化するはたらきで、快適な睡眠が得られます。日常的に受けるストレスを緩和することや、快適な睡眠を得ることは間接的に免疫力を上げることにも繋がります。
以上のように、緑茶には良い成分が多く含まれていますが、緑茶に含まれるカフェインは、過剰摂取してしまうと、めまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠症、下痢、吐き気などの症状が出る恐れがあります。そのため、緑茶は1日に10杯までにすると良いでしょう。