今でも会える、かつての線路   関東・東北編

鉄道は列車で人や荷物を運びますが、その役目を終えると廃線と呼ばれます。かつての鉄道路線などの営業が廃止された路線です。利用客の減少や貨物輸送の終了によって路線が廃止されたり、あるいは新しい線路への付け替えによって、鉄道としての役目を終えた線路は、線路跡の空き地となり、再開発や区画整理によって跡形もなくなります。でも、中には、かつての線路を残したまま活用する方法もあるのです。「今でも会える、かつての線路」として、楽しめる観光施設・アトラクションを紹介します。


小坂鉄道レールパーク
小坂鉄道小坂駅だったところを観光施設にした鉄道テーマパーク。線路と設備を生かして作られた、観て・学んで・体験できるレール遊びの複合施設。当時の姿のまま保存された国登録有形文化財の小坂駅舎や機関車庫を見ることができるほか、観光トロッコやレールバイクへの乗車、寝台列車「あけぼの」への宿泊が可能。大人から子供まで、誰もが楽しめるレールパークとなっている。

見学できる機関庫もあり、使用していない機関車や除雪車などが展示。機関車の運転席に乗ることもできまる。
もう一つ体験できるのが、線路を走るレールバイク。簡単に言えば電動アシスト付の自転車。駅の奥まで自転車をこいで、折り返してきますがなかなかスピードも出て面白い。
2016年より本格営業を開始しました簡易宿泊施設『ブルートレインあけぼの』。電源車カニ24の4両が現役寝台列車として使用されています。

入館料として大人500円、小人250円、幼児無料がかかります。
観光トロッコは入場料の外に、大人300円、小人150円かかります。

秋田県鹿角郡小坂町小坂鉱山字古川20-9

同和鉱業小坂鉄道
日本最大の銅山といわれた小坂鉱山のための鉄道、大館駅-小坂駅間22.3Kmを1908年に開通。

同和鉱業小坂鉄道は、日本最大の銅山といわれた小坂鉱山のための鉄道でした。
一部区間は官有の森林鉄道を譲り受けて、大館~小坂を762mmのナローゲージで1908(明治41)年に開通させました。1914(大正3)年には大館~花岡も開通しました。
その後、小坂~茂内~小雪沢の勾配区間を電化し、ナローの電気機関車が活躍した時代もありました。
1962(昭和37)年に、1067mmへの改軌が完了し、非電化区間の蒸気機関車が消え、ディーゼル化されたついでに電化区間も非電化となり、併せてディーゼル化されました。
1994(平成6)年に旅客営業が廃止され、2008(平成20)年に貨物営業を休止、翌年廃止されました。
大館と小坂を結んでいる小坂製錬の前身である小坂鉄道は、そもそも小坂鉱山で産出される鉱石の輸送を目的としていた貨物路線であったため、小坂駅から小坂鉱山までの専用線は古くからありました。しかし、小坂鉱山の閉山によりその役割を失い、昭和58年に廃止となりました。
廃止に伴って線路は撤去されましたが、ほぼ全線が会社の敷地内にあったということもあり、現在でも痕跡が随所に残っていて、小坂川を渡っていた鉄橋も当時の姿をとどめています。

大館・小坂鉄道レールバイク
100年の歴史に幕を閉じた旧小坂鉄道の廃線を活用し、自転車駆動でレールを走行するアクティビティを2009年に開設、常設の「長木渓谷コース」は片道約2Kmを往復する長木川沿いの爽やかな林間コース、走行時間は約30分。単線のため折り返し地点にターンテーブルを設置している。
鉄道の線路の上を自転車のように漕いで走る乗り物で、保線用の「軌道自転車」をイベント等で使用したものだが、廃止になった線路の活用策として運用されている。

現在は廃線となっている旧小坂鉄道の線路上を、自転車駆動の「レールバイク」に乗って進むのが「大館・小坂鉄道レールバイク」。自分の足で漕いで進むごとに、ガタンゴトンと足に伝わる振動が新感覚!鉄道ファンはもちろん、子供も大喜びのアクティビティです。

道のりは往復約4km、所用時間は約30分~40分ほど。上り坂はいい運動になりますが、帰りは一気に下れて気分爽快!途中、鉄橋を渡るときはスリリング。雄大な大自然の景観も楽しめます。体力に自信がない方でも、電動アシスト付バイクもあるので、ご安心を。

当施設はレール「バイク」です。小坂町の「小坂鉄道レールパーク」とは別施設で、20分ほど離れています。お間違えのないようご注意ください。

2024年の運行は4月13日(土)から再開します。
料金  レールバイク:2人乗り1台2,500円、4人乗り1台3,500円
    トロッコ:中学生以上1人1,200円

秋田県大館市雪沢字大滝30-2地内


岩泉線レールバイク
1942年~旧国鉄38.4km、宮古線茂市駅-岩泉駅、JR岩泉線2014年廃止。

廃線となったJR岩泉線の旧和井内駅から旧中里駅の片道3キロメートルを2人から4人乗りのレールバイクで往復します。緑あふれる夏にも、紅葉の秋にも、おすすめです。

レールバイクとは、鉄道の線路を自転車駆動で走る乗り物です。
岩泉線レールバイクは、平成24年に廃線となったJR岩泉線の旧和井内駅から旧中里駅の片道3キロメートルを2人から4人乗りのレールバイクで往復します。
緑あふれる夏にも、紅葉の秋にも、おすすめです。
廃線になった岩泉線旧和井内駅から旧中里駅までの片道3㎞をレールバイク(自転車)で往復し、懐かしい古里の田園風景が楽しめます。新緑、紅葉の季節は最高です!
1回の乗車人数に制限がありますので、事前のご予約をお願いします。(1回の最大乗車人数20名)
体験料金 1台 2,000円 2人乗り(2台)、4人乗り(4台)があります。

岩手県宮古市和井内21-1-3


くりはら田園鉄道公園
1921年~栗原電鉄25.7km、東北本線石越駅-細倉マインパーク駅、くりはら田園鉄道2007年廃止。愛称「くりでん」。

くりでん芝生広場は、惜しまれつつも2007年に廃線となった、旅客・貨物輸送を行った単線ローカル線「くりはら田園鉄道」の資料や車両の展示などがされている「くりでんミュージアム」に隣接した公園です。ミュージアムはもちろんですが、くりでん芝生広場からも鉄道を眺めることができますよ!また、くりでん芝生広場内には、実際に使われていた踏切や風速機などのモニュメント、機関車をモチーフにした遊具もあり、乗り物好きのお子さまにオススメの場所です☆
当時運行していたディーゼル気動車やレールバイクの乗車体験ができる「くりでんアトラクションゾーン」、機関車をモチーフにした遊具などがある「くりでん芝生広場」は、子どもから大人までが楽しめるテーマパークです。

ミュージアムゾーン、アトラクションゾーン、芝生広場の3つのエリアからなる公園。ミュージアムゾーンでは、くりでんの貴重な資料の展示のほか、栗原の四季豊かな田園風景を走るジオラマや、エンジンを搭載した列車の車・KD10の運転台を使った運転シミュレーター、くりでんの歴史を伝えるミニシアターがある。アトラクションゾーンでは、900mの線路を往復するレールバイクの乗車会が人気(冬期を除く月数回開催)。芝生広場内には、実際に使われていた踏切や風速機などのモニュメントや機関車をモチーフにした遊具もあり、家族でゆっくり過ごすのにもおすすめ。
料金 入園無料(くりでんミュージアム入館は大人500円、小・中学生300円)

宮城県栗原市若柳字川北塚ノ根17-1


吾妻峡レールバイク・アガッタン
八ッ場ダム建設のため、2014年JR吾妻線の切り替え廃止となった線路の一部を活用したアトラクション。

東吾妻町では、八ッ場ダム建設に伴い付け替えとなった線路の一部を活用し、誰でも気軽に吾妻峡及び八ッ場ダム周辺観光を楽しめるように、自転車型トロッコ(愛称:吾妻峡レールバイク アガッタン)の運行を開始しました。

アガッタンという愛称は、「あがつま」+「ガッタン」を掛け合わせた造語です。レールの継ぎ目から伝わってくる振動、ガッタンゴットンという音と心地よい風を体感して、まさに列車の運転士になったような爽快な気分を味わうことができます。ぜひ一度、アガッタンを体験してみてください。

〜まさに気分は列車の運転士〜吾妻峡レールバイク「アガッタン」を体験
2人一組や3人一組になって、マウンテンバイクと2軸4鉄輪台車を組み合わせた自転車型トロッコをこぎながら景色を楽しめるユニークな乗りものとなっています。
日本一短かった鉄道トンネルで有名な「樽沢(たるさわ)トンネル」や最新式のダム「八ッ場ダム」の風景が楽しめる区間約2.4kmの「渓谷コース」に乗車。アガッタンは空きがあれば当日も乗車可能ですが、前日までに予約する方が必ず乗れるので、おすすめです。

線路の一部を活用し、誰でも気軽に吾妻峡及び八ッ場ダム周辺観光を楽しめるように、自転車型トロッコ(愛称:吾妻峡レールバイク アガッタン)の運行を開始しました。アガッタンという愛称は、「あがつま」+「ガッタン」を掛け合わせた造語です。
料金:3,000~3,500円(保険料込)一乗車(片道)/一台あたり

群馬県吾妻郡東吾妻町松谷868-1


碓氷峠鉄道文化むら
長野新幹線建設のため、1997年JR信越本線横川駅-軽井沢駅間が廃止となる。

JR信越本線「横川駅」からすぐの所にある「碓氷峠鉄道文化むら」。碓氷峠を通っていた旧碓氷線の歴史を楽しく学べる鉄道のテーマパークです。ここでしか見ることができない貴重な車両の展示や運転体験などコンテンツが満載。鉄道マニアから小さな子ども連れのファミリーまで幅広く楽しめます。鉄道資料館にある碓氷峠のジオラマは必見。1時間ごとに演出運転が行われ、HOゲージの模型車両が走り回る様子に大人も子どもも目が釘付けです。

碓氷峠の急勾配を登るために、旧碓氷線では歯型のレールと車両の歯車を噛み合わせて走る「アプト式鉄道」を日本で初めて導入しました。整備用車庫を再利用した鉄道展示館には、碓氷線で活躍した電気機関車が展示されており、アプト式の仕組みを実物を通して学ぶことができます。屋外の展示スペースには、電気機関車をはじめ、歴史的名車両がずらり。芝生広場で車両を眺めながらお弁当を広げるのもいいでしょう。

展示を見るだけでなく体験できるのがこの施設の魅力。中でも人気は「EF63形電気機関車」のシミュレーターです。運転台に座り、当時の碓氷峠を忠実に再現した映像を見ながらマスコンハンドルやブレーキを操作。運転手気分が味わえます。小さな子ども向けの運転体験機も特急電車の本物の運転台を使用しているので子どもも大満足。事前に学科・実技講習を受講することで、指導員添乗のもと「EF63形電気機関車」を実際に運転できる唯一無二の体験コースもあります。

汽笛を響かせて園内を走るのは、イギリス製の蒸気機関車「SLあぷとくん」とディーゼル機関車「DLあぷとくん」。一周800メートルのコースからは園内を一望できます。また、信越本線の廃線跡をトロッコ列車が土日祝日を中心に運行。園内の「ぶんかむら駅」から温泉施設「峠の湯」がある「とうげのゆ駅」まで2.6キロの道のりを走ります。途中かなりの急勾配があり、峠越えの苦労の一端をうかがい知ることができます。

見て、触れて、体験できる峠と鉄道の歴史。通称ポッポタウン。園内は30両以上の鉄道車両の野外展示、蒸気機関車「あぷとくん」、ミニSL、トロッコ列車「シェルパくん」など、お子様に大人気の乗り物の運行の他、鉄道資料館もあり、鉄道の歴史に触れながら子どもからお年寄りまでお楽しみいただけます。

高崎から列車に揺られてのんびり横川へ。新緑、紅葉を楽しみながら、家族でのドライブにも丁度いい。軽井沢でお買い物ついでに寄られる方もいらっしゃいます。

群馬県安中市松井田町横川407-16