節分とは? 豆まきの由来・鬼のパンツ柄にまつわる歴史

出典:HALMEK up


「鬼は〜外! 福は〜内!」
節分(せつぶん)は「季節を分ける」季節の変わる節目の日をいい、立春・立夏・立秋・立冬のそれぞれの前日、1年に4度ありました。中でも大寒の最終日である立春は、日本では厳冬が明けて草木が芽吹くとして尊ばれたため、立春は1年の始まりとして、次第に節分といえば春の節分のみを指すようになっていきました。節分は1年が始まる前日、すなわち大晦日(おおみそか)に相当する日といえるのです。ちなみに、節分の日は必ずしも2月3日ではなく、閏年(うるうどし)の翌年には2月2日になることもあります。

1. 厄を払い新年の幸せを願う行事、節分とは

立春を1年のはじまりである新年と考えれば、節分は大晦日にあたります。平安時代の宮中の年中行事の一つで、大晦日に陰陽師らによって旧年の厄や災難を祓い清め、悪魔を祓い、悪疫邪気を退散させる儀式「追儺(ついな)」の行事が行われていました。のちには社寺、民間でも行われ、室町時代以降は豆をまいて悪鬼を追い出す行事へと発展し、民間にも定着していきました。
節分の行事は、神社では「節分祭」、寺院では「節分会(せつぶんえ)」といいます。白河天皇の発願による壬生寺の厄除けは、900年余もの永い伝統があります。京都の節分の行事は、京の都の四方を鎮護する「四方詣り」の鬼門参詣で、御所の表鬼門(北東)にある吉田神社、裏鬼門(南西)の壬生寺、南東の八坂神社、北西の北野天満宮の四社寺を詣り、無病息災、招福を願う習慣が今も続けられています。
関東の寺院では、東京・浅草寺が最初に節分会を行い、江戸庶民に豆まきの風習が広まっていったといわれています。

地球の公転周期は365日ぴったりではなく、地球が太陽の周りを1周するのには、365日と6時間ほどかかります。1年を365日とすると、太陽の動きに比べて1年がおよそ6時間短くなるので、4年で24時間短くなります。そこで閏年を導入し、4年に1度、1年の長さを1日増やしたのです。
ところが、正確な公転周期は365日5時間48分46秒ほどですので、4年に1度閏年を入れることで、逆に4年で44分56秒長くなります。これが400年のうちに3回閏年を減らせば、誤差が約3時間になります。このような計算によって、「西暦が4の倍数の年は閏年にするが、100の倍数であって400の倍数でない年は閏年にしない」というルールが作られました。この暦のルールは、「グレゴリオ暦」と呼ばれています。

出典:壬生寺 節分会 | ざ・京都
出典:TANTANの雑学と哲学の小部屋

2. で無病息災を祈る、豆まきの由来

出典:吉田神社 節分祭
出典:生薬ものしり事典|元気通信|養命酒製造株式会社

季節の変わり目には邪気(鬼)が生じると信じられていたため、それを追い払うための悪霊ばらい行事が執り行われていました。奈良時代〜平安時代の宮中では、節分に陰陽師(おんみょうじ)が旧年の鬼(厄)をはらう「追儺(ついな)式」、「鬼やらい」を執り行いました。中国の儀式が7世紀頃に日本に伝来し、今でも節分祭で有名な京都の吉田神社では、四つ目の仮面をかぶった鬼を陰陽師が祭文を読み上げて追いはらう追儺式が行われています。

節分の豆をまきは中国の習俗が伝わったものとされています。豆は「魔滅(まめ)」として無病息災を祈ります。また、鬼の目に投げつけたところ、鬼を退治できたという話から「魔の目(魔目=まめ)」に豆を投げつけて「魔を滅する(魔滅=まめ)」に通じるとされています。豆を炒ることは「魔を射る」につながり、大豆は米や麦などと並ぶ五穀のひとつで、古来より穀霊(豊饒を司る精霊)が宿るといわれ、神事でも重用されてきました。

豆まきに使う豆は炒った豆でなくてはなりません。なぜなら、生の豆を使うと拾い忘れた豆から芽が出てしまうと縁起が悪いからです。「炒る」は「射る」にも通じ、また、鬼や大豆は陰陽五行説(「木」「火」「土」「金」「水」の五行)の「金」にあたり、この「金」の作用を滅するといわれる「火」で大豆を炒ることで、鬼を封じ込めるという意味があります。そして最後は、豆を人間が食べてしまうことにより、鬼を退治した、ということになるわけです。
豆まきは一般的に、一家の主人あるいは「年男」(その年の干支生まれの人)が豆をまくものとされていますが、家庭によっては家族全員で、というところも多いようです。家族は自分の数え年の数だけ豆を食べると病気にならず健康でいられるといわれています。

3. 鬼の虎柄パンツと牛の角は、北東に鬼がいるから

「鬼のパンツはいいパンツ~♪ 強いぞ~♪」 
鬼といえば、派手な黄色と黒の虎しま模様のパンツがお決まりです。この鬼のパンツ、鬼がトラのパンツをはく理由は、陰陽五行説の鬼門に由来します。鬼門は鬼の出入りする方角で「北東」とされ、この方角は十二支にあてはめると「丑(うし)」と「寅(とら)」の方角にあたります。そのため、古来鬼は「牛(丑)」の角(つの)をもった姿で、「虎(寅)」のパンツを身に付けているとされています。

鬼はみんなカラフルです。その鬼に色の違う5種類の鬼がいるのです。「5色の鬼」は仏教における「煩悩(ぼんのう)」、すなわち「心穏やかに過ごすには、心に蓋をしている5つの煩悩を外しなさい」という「五蓋(ごがい)」の教えからきています。
【赤鬼】…貪欲、欲望、渇望
【青鬼】…瞋恚(しんい)、悪意、憎しみ、怒り
【緑鬼】…惛沈睡眠、倦怠、眠気、不健康
【黒鬼】…疑、愚痴、疑いの心
【黄鬼(白鬼)】…掉挙悪作、心の浮動、後悔、甘え、我執(がしゅう)
これも陰陽五行説に由来するという説があります。京都の廬山寺(ろざんじ)では、節分祭にでっぷりした赤鬼、青鬼、黒鬼が踊ります。また、五色の節分鬼踊りで知られる新潟県三条市の本成寺では、赤鬼は「全ての悪い心」、青鬼は「貧相」、黒鬼は「疑心」、黄鬼は「甘え」、緑鬼は「おごり」を意味するといわれています。

出典:quizknock.com
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4. 「不幸や災いがない1年になりますように」と願う食事

出典:そごう広島店|西武・そごう
出典:[暮らしの歳時記] All About

東洋医学の基本でもある「陰陽五行説」は、万物を「陰」「陽」に分け、「木・火・土・金・水」の5つの要素によって森羅万象が成立していると考えます。冬から春に向かう節分は、ちょうど陰から陽に移る節目です。陰陽五行説では、豆や鬼、疫病は「金」にあたり、「火」は「金」に勝つので、豆を火で炒ることで、鬼や病に打ち勝つという意味があります。つまり、炒り豆は「悪鬼退散・疫病退散」の象徴なのです。

恵方巻とは、節分の日に食べる巻き寿司のこと。その年の恵方(決まった方角)に向かって、黙々と食べるのが作法とされています。恵方巻には、七福神にあやかって7種類の具材を巻き込むのが一般的です。「長生きできるように」という意味でかんぴょうや「金運」を意味する伊達巻などの具材が入ります。恵方巻を食べる際は、よそ見をせずその年の恵方を向き続ける、途中で食べるのをやめず一気に食べきるというルールがあります。守らないと福運が逃げるとされています。
恵方とは、その年の金運や幸福をつかさどる「歳徳神(としとくじん)」がいる方角で、「その方角を向いてさまざまなことをおこなうと、万事うまくいきやすい」といいます。恵方は年ごとに変わり、初めてのことをおこなうときや初詣の際も、恵方を参考にしたそうです。

節分では柊の小枝に焼いたイワシの頭を刺した「焼嗅(やいかがし)」「柊イワシ」を戸口や窓に吊るす習慣があります。柊の尖った葉が鬼の目を刺し、イワシの頭の異臭が鬼避けになると考えられていたのです。

5. 立春の日はどうして決まる、暦の天文学

天球の表面上の太陽の通り道を「黄道(こうどう)」と呼んでいます。地球の公転軌道はある平面上に存在していて、その平面を「公転面」と言います。黄道は、地球の公転面と天球との交線にあたり、天球の半径と同じ長さの半径を持つ円の形をしています。地球は太陽の周りを1年で1周しているので、天球の表面上の太陽の位置も1年で1周するのです。

天文学での「立春」は、太陽が黄経315度の点を通過するその瞬間を指しますが、暦では、その瞬間を含む日が立春となります。太陽暦での「1年」は地球の公転周期とほぼ同じですので、通常、立春の日が大きく変化することはありません。ところが、国立天文台によると、2025年の立春は2月3日23時10分です。従って、2025年は2月4日ではなく2月3日が立春の日ということになります。これにより、今年の節分も1日早まって、2月2日となります。

二十四節気は、「太陽が黄道のこの点を通った時が立春!」というように決められています。立春は二十四節気の中の1つで、春の始まりとされる日です。二十四節気とは、季節変化を表す指標となるもので、1年の中での太陽の黄道上の動きを、視黄経の15度ごとに24等分して決められています。太陰太陽暦(旧暦)では、二十四節気を用いて季節が大きくずれないように調整しています。この季節のずれを修正するための太陰太陽暦での仕組みが「閏月」です。
節分とは、近世以降、立春の前日を指すことが多くなりました。太陰太陽暦(旧暦)では、立春に近い頃にお正月(朔月)がやってきます。そこで、この時期は今でいう正月や大晦日のような意味合いがあり、4つの節分の中で最も重要視されてきたようです。

出典:ブルーバックス | 講談社
出典:帝王算命学鑑定・講座・風水・気学・奇門遁甲

6. 春の気配がたち始める日、立春を愛でる


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