歴史から見える人々の暮らし、暦と祭りの文化
今日の趣き-blog-
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目次
1. 秋分の日を過ぎ、秋の星空観測にはよい季節
2. 年によって違う、春分の日と秋分の日はどう決まる
3. 日の出、日の入りの時刻の決め方
4. 天文観測によるGMTに対して、原子時計での時刻がUTC
5. 秋分の日は秋の彼岸、春と秋の2回ある「彼岸会」
6. お彼岸は極楽浄土に向かってお参りをすること
秋の星座は、明るい星が少なくなり、ややさびしい印象になります。それでも、宵の口にはまだ夏の星座が西に見えていますし、深夜には冬の星座ものぼってきます。また、秋の夜空には、見ごたえのある星雲や星団がたくさんあります。秋の夜長には、双眼鏡や天体望遠鏡を用意して、じっくりと星めぐりを楽しんでみてください。
二十四節気の「秋分」は、「春分」と同じく、昼と夜の長さがほぼ等しい日といわれていますが、実際は昼の方がわずかに長いのです。秋は穀物や果物が収穫の時期を迎え、「実りの秋」といわれます。おいしいものがそろう季節に、「秋の味覚」「食欲の秋」を楽しみましょう。
1. 秋分の日を過ぎ、秋の星空観測にはよい季節
二十四節気(にじゅうしせっき)は、中国の戦国時代の頃に発明され、季節を春夏秋冬の4等区分する暦のようなものです。一年を12の「節気(正節)」と12の「中気」に分類し、それらに四季・気候などの季節を表す名前がつけられています。中国の気候と、日本での季節感が合わない名称や時期があため、二十四節気のほかに、土用、八十八夜、入梅、半夏生、二百十日などの「雑節」と呼ばれる季節の区分けを取り入れました。
天の川と夏の星座が西に傾き、10月に入ると秋の星座で夜空が彩られます。秋の星空の天頂近くに4つの星が四角く並んでいるのが「秋の四辺形」で、天馬の胴体を表わしている「ペガスス座」です。秋の四辺形の右下の星がマルカブ、その上がシェアト、左上がアルフェラッツ、左下がアルゲニブです。四辺形の星のひとつアルフェラッツは、となりの「アンドロメダ座」に接しています。
秋の四辺形の西側の一辺を南に伸ばしてみると、明るい白い星が「みなみのうお座」の「フォーマルハウト」です。日本では「秋のひとつぼし」とも呼ばれている秋の空で唯一の一等星です。秋の星座がなんとなく寂しくなるのは、秋の星座には明るい星が少なく、一等星はフォーマルハウトだけなのです。
北の空を見上げれば、「カシオペヤ座」や、「ケフェウス座」が見つかります。左の方に「アンドロメダ座」が伸びています。この星座には、あの有名な「M31アンドロメダ大銀河」がふくまれています。ぼんやりと光る雲のような銀河を見つけることができます。
2. 年によって違う、春分の日と秋分の日はどう決まる
地球は約一年の周期で太陽の周りを公転しています。この太陽の年周運動を天球上で表した黄道と天の赤道が天球上で交わり、春分点と秋分点になります。太陽が天の赤道を南から北へ横切る点が、北半球では春分(南半球では秋分)で、半年後、北から南へ横切る点が、北半球では秋分(南半球では春分)です。太陽が天の赤道を通過した瞬間の時刻を春分時、秋分時といいます。世界では時差のために国・地域によって1日の違いが生じます。
太陽が黄道を一周する一年は365日ぴったりではなく、実際には365日と約6時間です。このため、春分の日と秋分の日は年によって日にちが異なるのです。
昼と夜の時間は一年のうち夏は昼が長く、冬は夜が長くなりますが、春分の日や秋分の日はだいたい同じになります。これは地球の自転軸(地軸)が23.4度傾いたまま、太陽の周りをまわっている(公転)ため、太陽の光があたる時間の長さに違いが生まれるからです。
北極が太陽のほうを向いているとき、北半球は夏で、太陽の光があたる時間が長くなり、昼のほうが長くなります。この時期の南半球は反対に冬になります。南極が太陽のほうを向いているときには、北半球は夜のほうが長くなる冬を迎えます。この時期の南半球は夏になります。
北極も南極も太陽のほうを向いていないときは、地球の傾きの影響を受けなくなります。このときが春分・秋分にあたり、春分の日と秋分の日は昼と夜の時間がほぼ同じになります。
3. 日の出、日の入りの時刻の決め方
春分の日や秋分の日には、太陽が真東から出て真西に沈むため、昼と夜の長さが「ほとんど」等しくなります。「ほとんど」といっているのは、厳密にいうと「昼のほうがやや長いから」です。昼夜の長さが同じいわれますが、実は全く同じではありません。昼の方がやや長いのです。これは、日の出と日の入りの時刻の定義が関係しています。
日の出は太陽が地平線から顔を出した瞬間のことで、日の入りは太陽が地平線から消える瞬間のことのため、つまり太陽1個分、昼の方が長くなります。日の出は太陽の上端が地平線に接したときをその時刻と決めています。太陽が少しでも顔を出せば日の出なのです。これが、朝の太陽の中心が地平線に来たときを日の出と定め、夕方の太陽の中心が地平線にまで沈めば日の入りとすれば、昼と夜の長さは同じなのですが、もうひとつ関係していることがあるのです。
地球は大気に取り巻かれているため、そこを通過する太陽の光は曲げられています。水の中やプリズムで光が曲げられるのと同じ原理で、大気による屈折が起こります。この影響で太陽が地平線より下にあるときも、太陽が浮き上がり、まるで地平線から顔を出しているように見えてしまいます。そのため、昼の方が少しだけ長くなります。これは、地平線に近い太陽の光は、大気中を通る過程で屈折し、太陽が実際の位置よりも若干浮き上がって見えることが原因です。私達が見ている太陽の位置と実際の位置が違うため、昼と夜の長さにも違いが出てきてしまうのです。
4. 天文観測によるGMTに対して、原子時計での時刻がUTC
これまで世界標準時刻として使用されてきた「GMT」は、近年、海の潮汐運動がブレーキとなり、地球に自転周期が年々長くなってきていることにより、これを是正するために「UTC」が考えられました。
GMTとは、Greenwich Mean Time(グリニッジ・ミーン・タイム)の頭文字を取ったもので、1884年にロンドンにあるグリニッジ天文台を南北に通る子午線を「経度0(本初子午線と呼ぶ)」とし、この経度で太陽が南中する時間を正午と定めて時刻が制定されました。
一方のUTCは、Universal Time Coordinated(ユニバーサル・タイム・コーディネーテッド)の頭文字を取ったもので、「協定世界時」の略称です。超高精度を誇るセシウム原子時計の振動数を利用して国際原子時を決め、そこに閏秒を追加して世界の公式時刻として使用しています。
現在はより正確なこのUTCが世界の基準の時刻となっています。なお、GMTとUTCは、国際協定により同義として認められ、時計の機能として同じものです。
日本標準時(日本時間)はUTCから9時間進んでいるため、「UTC+9」と表記されます。日本における時刻はこの表の9時間後、中国では8時間後となり、世界時15時台より、日本の日付は翌日になります。一年365日からの超過分の約6時間弱が毎年蓄積し、4年に一度閏年でリセットされていきます。
5. 秋分の日は秋の彼岸、春と秋の2回ある「彼岸会」
秋分の日は「秋分の日」という休日(国民の祝日)となります。この日が休日となるのは1878年(明治11年)から続いており、1948年(昭和23年)に「休日ニ關スル件」が廃止されるまでは「秋季皇霊祭」という名称でした。「国民の祝日に関する法律」ではそれぞれ国民の祝日と定められ、春分の日は「自然をたたえ、生物をいつくしむ」日、秋分の日は「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ」日とされています。
彼岸は彼岸会(ひがんえ)とも呼び、春と秋の2回あります。季節の変わり目である春分と秋分の日を含む前後3日間を指し、春は「春彼岸」、秋は「秋彼岸」と呼びます。
春分と秋分の日は、昼と夜の長さがほとんど同じになり、太陽が真東から登って真西に沈むという事から、仏教ではあの世とこの世が最も近くなる日 とされています。この期間に精進することで、浄土へ行けるという考えがあります。
日本では、この時期に収穫の祈願などが行われていたため、先祖の供養としてお墓参りもする習慣ができました。仏教行事ではありますが、日本特有の行事です。「暑さ寒さも彼岸まで」という言葉があります。
彼岸の7日間のうち、初日を「彼岸入り」、真ん中の日を彼岸の中日(ちゅうにち)、最終日を「彼岸明け」といいます。
6. お彼岸は極楽浄土に向かってお参りをすること
「お彼岸」という言葉は、もともとは仏教の「到彼岸(とうひがん)」という教えに由来し、煩悩や迷いの多い此岸(現世)から悟りの世界である彼岸(あの世)へと至ること、またそのための修行を指します。「到彼岸」とは古代インドで用いられていたサンスクリット語「paramita(パーラミタ)」の翻訳で、文字通り「彼岸(パーラム)」に到達する(イタ)という意味。外来語を日本の文字で書き起こした音写語では「波羅蜜多(はらみった)」とも呼ばれており、こちらの方が馴染みがある方もおられるでしょう。
日本のお彼岸には、これに加えて、中国から伝わった浄土信仰も合わさっています。昼と夜の長さが等しく、太陽が真東から真西へと一直線に沈む春分と秋分の日は、此岸と彼岸がもっとも近づく日とされ、死者や来世を偲ぶ日としても捉えられるようになりました。
煩悩に満ちた現世を”此岸”と呼んだのに対して、煩悩を解脱した”あの世”つまり極楽浄土を「彼岸」と呼んだのです。この彼岸の極楽浄土は、西方浄土といって、太陽が真西に沈む春分と秋分の日には人々ともっとも近く通じやすくなるといい、彼岸は現世と極楽浄土を結ぶ特別な時期であるとされました。
西方極楽浄土(さいほうごくらくじょうど)は仏教における聖域・理想の世界です。十億万仏土先の西方にあり、阿弥陀如来がいるとされる浄土のことで、極楽浄土といわれます。この西方浄土の考え方から、西を向いて拝むことが浄土に向かってお参りをすることになるため良しとされるため、東向きのお墓のほうが人気が高いです(お墓参りする人が西方浄土を向いてお参りするためです)。