果汁たっぷり、桃のデリケートな甘さを味わう

桃は収穫の10日くらい前から収穫直前にかけて、急激に糖分を蓄えて美味しくなるといいます。ですから、収穫前から収穫期にかけての天候で、美味しさが左右されてしまうのです。その時期のお天気が雨のない晴天が続いていると濃厚な味の桃が収穫でき、長雨は味を低下させてしまうのです。
皮の色は濃いほうが甘味があり、赤色が濃く色づいて、ツヤがあるもの、ふっくらと綺麗な丸みをしていて、全体的に紅く色づいているもの、お尻の着色していない部分の白色がはっきりしているもの、果皮全体にうぶ毛があり、香りの強いものがおいしい桃です。

桃が左右対称で、縦ではなく横に膨らんでいること
桃が割れ目で左右対称で同じように膨らんでいることです。膨らんでいるいる方の糖度が高く、膨らんでいない方は糖度が低いです。そして縫合線が深いのものよりも、浅いものの方が甘い桃の確率が高いです。果皮に張りがあり、持った時に重量感のあるものを選びましょう。大きめでしっかりと重みのある桃の方が生産者の管理が行き届いていると言われています。
桃の表面に「果点」といわれる小さい白い点がついていること
桃の「果点」とは、果皮にある白いつぶつぶの点のことです。桃が太陽の光をたくさん浴びて栄養が行き渡ることで実が熟し、糖度が上がってきます。すると果皮に亀裂が入り、果点が多いほど、糖度が高い桃である可能性が高いです。
この「果点」が果皮全体に広がっていれば、さらに甘さが増しています。糖度20度越えの桃になってくると、この点が多すぎて白っぽい桃になります。さらに、果皮の色づきが濃い部分に白い斑点（果点）が出ているものは甘い傾向にあります。
桃本来の甘い香りがしていること
美味しい桃は香りがとても良く、香りが良いのは、甘い香りが美味しくしっかりと熟している証拠になります。
桃は熟すと袋や箱越しでも匂いが届くほど芳醇な香りがしてくるので、香りの有無もしっかりと確認しましょう。

健康と美容に良い食材はたくさんありますが、桃は美味しいだけでなく、栄養価も非常に高い果物で、美容にも効果的です。
カリウム
桃に含まれるカリウムは、心臓の健康をサポートする重要なミネラルです。過剰なナトリウムを体外に排出する働きで、高血圧のリスクを低減し、むくみを解消する効果があり、体の水分バランスを整えます。
ビタミンE
ビタミンEのもつ抗酸化作用で皮膚や血管の老化を防ぎます。肌にハリをもたせたり、シミ予防などの美肌効果としてのアンチエイジング効果があります。
ビタミンC
ビタミンCはコラーゲンをつくる栄養素です。また、ビタミンEの活性酸素を除去する働きを活発にします。
ペクチン
水溶性の食物繊維で、食べ物の余分なカスを絡め取って便の排泄を促し、腸の働きを整えます。便秘になると、ガスや老廃物が腸に溜まって血中に溶け込み、汚れた血液が毛細血管まで運ばれて血行を悪くします。ペクチンは肌のくすみ、口臭や体臭の原因を防ぎます。
カテキン
ポリフェノールの一種で、強い抗菌作用をもち、抗酸化作用や肥満予防など、脂質の酸化を防ぎ、血圧や血糖値が上がるのを抑制します。桃の皮には、カテキンが含まれていますので、皮も一緒に食べるのがオススメです。

桃の生産地、収穫量
ももの収穫量は10万9,500tで、前年産に比べ6％減少
山梨県　　3万3,400t（31％）
福島県　　2万8,500t（26％）
長野県　　　 9,650t（9％）
山形県　　　 8,800t（8％）
和歌山県　　 7,240t（7％）
となっており、この5県で全国の8割を占めています。
（出典：農林水産省 2023年）
桃の主な種類
・白桃系
主な産地には山梨県、福島県、長野県、山形県など。
果肉は白く、ジューシーな味わい。比較的大玉で、安定した甘さが特徴です。
・黄桃系
主な産地には長野県、山形県、福島県など。
さっぱりとした口当たりですが、みずみずしい味わいです。白桃系に比べて果肉が硬く、缶詰などの加工品としてもよく使われている種類です。
・白鳳系
主な産地には山梨県、和歌山県、岡山県など。
他の種類に比べて早い時期に出回ります。果肉の繊維質が少なく、口当たりはまろやかです。果汁が多く、酸味も控えめなのが特徴です。