メロンは人気の夏のフルーツ、美味しさの魅力

メロンは夏を代表するフルーツのひとつで、濃厚な甘みと高い香りが魅力です。北海道から九州まで、全国各地で栽培されているメロンには、産地や品種によってさまざまな特徴があります。現在日本で流通している代表的なメロンの品種は約30種類ほどで、一般的な品種から、その土地ならではの品種まで種類が豊富です。
爽やかな甘い香りと、とろけるような舌触りがある高級フルーツです。おいしいメロンを育てるには、水はけの良い土壌や寒暖差や欠かせません。栽培方法や品質基準は産地ごとにこだわり、各地でブランドメロンが誕生しています。

メロンの種類を分けるポイントは、主に網目の有無・果肉の色・栽培方法の3つです。
網目のある・なしで分ける
網目のあるメロンの「ネット系メロン」の代表といえばアールスメロン（マスクメロン）やアンデスメロンです。甘くジューシーなものを選ぶなら網目の状態をチェックしましょう。網目がくっきりとしてきれいに広がったものがおいしいメロンです。
網目のないメロンの「ノーネット系メロン」の代表はプリンスメロンやホームランメロン、ハニーデューメロンなどです。ネット系メロンと同じく、果皮の状態で選ぶのがおすすめです。表面に傷がなくなめらかなものを選びましょう。
果肉の色で分ける
メロンの果肉の色は3種類に分けられます。果肉が黄色みがかった緑色の「青肉メロン」、鮮やかなオレンジ色の果肉が特徴の「赤肉メロン」、果肉がやわらかな乳白色の「白肉メロン」です。果肉の色で味わいや風味はそれぞれ異なります。栄養素については3種ともビタミンやカリウムが豊富に含まれていますが、赤肉種はほかの2種よりもβ-カロテンを多く含んでいます。
栽培方法で分ける
メロンのおもな栽培方法には、3種類があります。「ガラス温室栽培」は光を採り入れやすいガラスを使った温室で栽培する方法です。「ビニールハウス栽培」とは、ビニールハウスを建てて内部の環境をコントロールして栽培する方法のこと。「トンネル栽培」は、ガラス温室やビニールハウスを建てずに栽培される露地栽培のことを指します。

メロンは美味しいだけでなく、栄養価が豊富で体に良い果物です。
食物繊維
メロンには、「ペクチン」と呼ばれる水溶性食物繊維が含まれており、水に溶けやすく便を柔らかくしてくれる効能を持ちます。食物繊維は、整腸効果だけでなく、血糖値上昇の抑制、血液中のコレステロール濃度低下予防などにも効果があります。
カリウム
カリウムはナトリウムと作用することでその効果を発揮し、細胞の浸透圧維持や水分保持などの働きをしてくれます。カリウムは小腸で吸収され全身の組織に運ばれた後、腎臓により余分なナトリウム（塩分）と一緒に体外に排出され、血圧を下げる効果で高血圧の予防、むくみの改善、心臓機能や筋肉機能の調整をします。
ビタミンC
強い抗酸化作用で免疫力の向上や癌の予防に効果を発揮してくれます。ビタミンCは「アスコルビン酸」とも呼ばれており、コラーゲンの生成には欠かすこのできないビタミンで、肌荒れの防止になります。
β-カロテン
果肉がオレンジ色の赤肉系のメロンにはβ-カロテンが非常に多く含まれています。
β-カロテンは、ビタミンAと交換されることで、皮膚や粘膜の健康を維持してくれます。また、視力維持するために重要な役割を果たしてくれる栄養素です。
葉酸
卵黄、牛乳、カキ等に多く含まれるビタミンB12と一緒に赤血球を作るので、「造血のビタミン」とも呼ばれ貧血や立ちくらみを防ぎます。細胞の生産や再生を助ける役割も持ち、体の発育に重要です。
マグネシウム
マグネシウムはミネラルの一種で、体内の酵素の働きを助けてくれます。マグネシウムはカルシウムと密接な関係にあり、血液の循環を正常に保ち、高血圧や心疾患の予防にも効果を発揮してくれます。

日本の主なメロンの産地
茨城県、熊本県、北海道、次いで山形県、青森県などが続きます。 特に茨城県は24年連続生産量1位を誇るメロンの大産地です。
茨城県　　 36,500t
熊本県　　 25,400t
北海道　　 20,400t
　　　　　上位3道県で収穫量全体の半数以上を占めます。
山形県　　 10,400t
青森県　　　9,650t
愛知県　　　9,610t
千葉県　　　7,880t
静岡県　　　6,470t
秋田県　　　2,980t
鳥取県　　 　 983t
出典：おもな産地と収穫量（2021年）
美味しいメロンが育つ条件とは？
・水はけの良い土壌
水分が多い土壌だとメロンが水分を吸収してしまい、糖度が下がるといわれています。また、メロンの根には多くの酸素が必要なので、水はけや通気性のいい土壌で育てるのが適しています。
・日中と夜間の寒暖差が大きい
寒暖差が大きいと、糖度が高く濃厚なメロンが育つといわれています。果物は、太陽の光を浴びて光合成をすることで糖を作り出します。糖は果物が呼吸することで消費されてしまいますが、気温が低いと呼吸も減り、日中に蓄えた糖の消費を抑えることができるのです。
水はけの良い土壌、昼夜の寒暖差が激しい気候が揃えば、甘くて美味しいメロンに育ちます。