今でも会える、かつての線路   西日本編

鉄道は列車で人や荷物を運びますが、その役目を終えると廃線と呼ばれます。かつての鉄道路線などの営業が廃止された路線です。利用客の減少や貨物輸送の終了によって路線が廃止されたり、あるいは新しい線路への付け替えによって、鉄道としての役目を終えた線路は、線路跡の空き地となり、再開発や区画整理によって跡形もなくなります。でも、中には、かつての線路を残したまま活用する方法もあるのです。「今でも会える、かつての線路」として、楽しめる観光施設・アトラクションを紹介します。


赤沢森林鉄道
1916年~中央本線上松駅-赤沢駅1.17km、往復2.3km。1975年廃止。

赤沢自然休養林は、日本三大美林の一つ。
樹齢300年以上の天然木曽ヒノキが林立していますが、 原生林ではありません。
1600年代の半ばに、 当時の尾張藩が厳しい森林保護政策をもって護り始めたのが、 この森の始まりです。
赤沢森林鉄道は、開園期間中の春から秋まで、園内で運行されています。もとは博物館の施設なので、運行距離は長くありません。しかし澄んだ水と空気、雄大な美林を縫って走る姿はまさに「森林鉄道」。国内外から多くの皆様に親しまれています。
かつて木曽地域で林業が盛んだった時代、運材に住民の足にと親しまれた鉄道がありました。全国で活躍した森林鉄道のうち、国内最後まで現役で運行された、木曽森林鉄道です。軌道の幅は762mm。JRの線路より狭い軌道は「狭軌、ナローゲージ」と呼ばれ、当時の山間地の輸送手段として最適でした。
やがて木材の輸送手段は鉄道からトラックへ。木曽森林鉄道も、1975年に最後の運行を終えました。
それ以後、赤沢自然休養林の森林鉄道記念館で静かな余生を過ごしていたのです。転機は赤沢園内で開催された、1985年の伊勢神宮御用材伐採。久しぶりに運材に活躍した森林鉄道が全国に放送され、一気に評判になりました。
それから2年後、まず夏休みから、樹齢300年の天然ヒノキ林を走る赤沢森林鉄道が運行を始めました。
料金 大人:900円/小人:600円 (夏期は別料金)

長野県木曽郡上松町小川 小川入国有林内


神岡鉄道ガッタンゴー
1966年~旧国鉄高山線猪谷駅-奥飛騨温泉口駅19.9km神岡線、1984年第三セクター神岡鉄道、2006年廃止。

旧神岡鉄道のレールの上を、マウンテンバイクで走る新感覚アクティビティ。線路の上を走るため、普通のサイクリングでは体験できない「ガッタン、ゴットン」というレールの継ぎ目の振動や音を感じることができます。

体験できるのは、まちなかコースと渓谷コースの2コース。
街なかコースでは、出発地点の奥飛騨温泉口駅沿線の美しい桜並木のほか、秋は黄金色に染まる飛騨路の山々を楽しむことができます。
渓谷コースは、清流・高原川に架かる橋梁やトンネルを走るスリル満点のコース。高所恐怖症の人にはおすすめできませんが、スリルの先に素晴らしい絶景が待っていますよ!

レールマウンテンバイク「ガッタンゴー!!」は、自転車と廃線後の鉄路を組み合わせたアクティビティ。
2台の自転車をフレームにがっちり固定したレールバイクで、旧神岡鉄道のレールの上を走ります。

サイクリングにはない「ガッタン、ゴットン」というレールの継ぎ目の音と振動を感じながら、トンネルや橋梁のあるスリル満点のコースを走ることが「とにかく楽しい!」と、これまでご利用頂いた多くの方から高い評価を頂いています。
料金  1車両3000円から(コース・車両により異なる)

岐阜県飛騨市神岡町東雲1327-2


嵯峨野観光鉄道嵯峨野観光線
1989年JR山陰本線の電化準備及び複線化のため新線に切り替えられて廃止された嵯峨駅-馬堀駅間の旧線を、1991年に観光専門鉄道として再生した路線。7.3km。
嵯峨野観光線は、京都府京都市右京区のトロッコ嵯峨駅から京都府亀岡市のトロッコ亀岡駅までを結ぶ嵯峨野観光鉄道の鉄道路線である。日本初の観光専用鉄道である。 本項において、「新線」は現在の嵯峨野線、「旧線」は当線を指す。共用区間など特に区別の必要がない場合は「山陰本線」と表記する。

嵐山観光の定番。トロッコ嵯峨駅からトロッコ亀岡駅までの7.3kmを約25分で結び、四季折々の保津川渓谷の美しさを満喫できる観光列車。トロッコ嵯峨駅では西日本最大級の鉄道ジオラマ「ジオラマ京都JAPAN」や本物のSLを展示している19世紀ホールも併設しています。

トロッコ列車は5車両編成です。そのうちの1車両(5号車)がリッチ号です。窓ガラスがなく、自然を体感できるオープン車両です。そのため、走行中は風が直接体に当たります。床も素通しですので足元からも風が入ってきます。雨天の場合は雨に濡れることがありますが、車内でのカサの使用は禁止となっていますのでご了承ください。ネット予約サービスでは「リッチ号/5号車」をお選びください(満席の場合は列車選択画面にて「×」と表示されます)。

乗車券 (全車 指定席 )は 乗車日 の1ヶ月前からJR西日本のインターネット予約サービス「 e5489」および 京阪神エリアの一部の駅、全国の主な旅行会社で発売します。
当日券はトロッコ各駅 (保津峡駅除く)でも発売します。
料金・入場料・拝観料  片道:大人/880円 小児(6才以上12才未満)/440円

京都府京都市右京区嵯峨天竜寺車道町


明神軌道と明神電車
かつて、現在の養父市・朝来市の明延鉱山にあった鉱山用軌道。明延(あけのべ)と神子畑(みこばた)を結ぶ。鉱石列車のほかに客車も運行、1949年~運賃50銭、1952年~運賃1円・部外者10円、その後値下げして「一円電車」と呼ばれる。1985年客者廃止、1987年閉山にて廃止。

明治29年から三菱合資会社は、生野・神子畑・明延・中瀬の鉱山経営を開始しました。明延鉱山では、明治42年(1909)に錫鉱脈が発見され、日本一の錫鉱山へと開発されていきました。 神子畑鉱山では銀を産出しなくなり、明延は錫鉱石の採掘、神子畑は選鉱場として分業体制をとりました。このため明延から神子畑に鉱石を運搬する手段が必要となりました。 明治43年には牛車などを利用して鉱石を運搬しました。しかし、けわしい山道でした。このため大正元年、全長5,750メートルの架空索道を建設して輸送しました。
その後、昭和4年に明神隧道3,937メートルが完成し、電車で鉱石を運搬しました。当初の軌間(軌道の幅)は500ミリメートルです。その後、昭和16年に762ミリメートルに拡張しました。このルートが明神軌道です。これによって神子畑は、明延鉱山神子畑選鉱場として繁栄しました。

一円電車体験乗車会
かつて明延から神子畑まで走っていた鉱山鉄道の「一円電車」に乗ってみませんか?
2024年度の体験乗車会は4月14日(日)から始まります。
入場料  大人(高校生以上)300円  小人(中学生以下)1円

兵庫県養父市大屋町明延1184


江の川鐵道
1975年~山陰線江津駅-三次駅108.1km、三江線2018年廃止。

戦後に人口が8割減った邑南町羽須美地域。JR三江線も廃止になりました。
でも、鉄道はなくなっても、地域はなくなりません。
“縮小ニッポン”の最先端。ここから、あなたと一緒に、学び、挑戦したい。
未来を変えるプロジェクト、始めます。
廃線駅に命を吹き込め!信号、ポイントを復活し、より楽しく、より安全にトロッコを走らせる口羽駅再生プロジェクト!

島根県邑南町を走っていたJR三江線が廃線となってから4年半が経過しました。過疎と高齢化で人口減少が止まらない地域ですが、この地域に誇りを取り戻し、この地域を盛り上げていくため、NPO法人江の川鐵道は、廃線になった跡地(口羽駅、宇都井駅及びその周辺)を活用して、トロッコ型車両を走らせ、地域に賑わいを取り戻す取り組みを進めています。

2024年 旧JR三江線で江の川をまたぐ鉄橋のうち、「口羽駅、作木口駅」にトロッコを走らせます!! トロッコ乗車料1,300円(大人)、小学生以下600円、未就学児無料。 

島根県邑南町宇都井1041-1


高千穂あまてらす鉄道
旧国鉄部bb克民営化により高千穂線は高千穂あまてらす鉄道として開業。日豊線延岡駅-高千穂駅50.0km。2005年の台風14」号による暴風雨で被害、2008年廃止。

日本一の高さを誇る鉄橋からの眺め
世界農業遺産に認定された神々とともにある暮らし、
美しい棚田や水路、四季折々の木々の色
沿道に目をやれば、笑顔で手を振る人がいる。
運転士の話から見えないものも見えてくる。
杖つく人を待って出発が遅れることもあった。
学生は車掌に恋の悩みを打ち明けた。
台風で廃線となるまでは
列車は人々とともにあった。
「もう一度、必ず列車を通してみせる。」
廃線の復興を願う有志たちが立ち上がった。
あなたがこれから出会うのは、
人々が汗をかきながら守り抜いた風景。
絶景のその先へ、これからも線路は延び続ける

高千穂、絶景30分の旅、平成17年に台風の影響で廃線になった旧高千穂鉄道の線路をあまてらす鉄道オリジナルのスーパーカートで雄大な景色を楽しむことができます。車両のメンテナンスなどで運休の時もありますので、運行状況についてはあまてらす鉄道にご確認ください。
乗車料金 高校生以上1,800円、 小・中学生1,100円、 未就学児600円

宮崎県西臼杵郡高千穂町三田井1425-1